フランスで開催される第75回カンヌ映画祭「ショートフィルムコーナー部門」に成安造形大学・情報デザイン領域・映像コース学生2名の映像作品が選出されました。
映像コースを今年卒業した太田菜捺(なな)さんと映像コース4年・橘 唯月(たちばな ゆづき)さんの2名です。
カンヌ映画祭ショートフィルムコーナー部門は審査によって作品が選ばれますが、毎年、テレビのニュースで取り上げられるコンぺティション部門ではありません。ショートフィルムコーナーはカンヌ映画祭の会場やWEBで映画配給会社と上映の商談を行う権利をカンヌ映画祭が承認する部門です。カンヌ映画祭会場では上映室の提供やプレゼンテーションの機会が与えられます。映画祭終了後も承認された作品として映画関係者から評価されるメリットを得る事ができます。現在、世界から366作品が選出されています。そのうち日本からは11作品です。
カンヌ映画祭「ショートフィルムコーナー部門」カタログ。 太田さんと橘さんの作品が掲載されている。
二人の作品は第75回カンヌ映画祭「ショートフィルムコーナー部門」のカタログに個別に掲載されていますので以下、URLからカタログを閲覧ください。
1)映像コース卒業生(2021年度) 太田菜捺(おおた なな)「Welcome to Heaven」
https://catalogue.cannescourtmetrage.com/fiche.aspx?id=ttXWdywpXqE%3d
今年、本学の卒業制作として制作されたアニメーション作品です。
ある女性が会社のリモート・ミーティングの失敗で解雇されます。
そのストレスで吸ったタバコの消し忘れから火事になり死んでしまいます。その後、彼女は死神に自然豊かな天国に連れて行かれ、楽しく過ごします。しかしある日、天国はIT企業によってつくられた世界である事を知ってしまいます。
デジタル無しでは生きられない現実。やがて死後の世界もデジタル化される悪夢をブラックユーモアで表現しています。
太田菜捺「Welcome to Heaven」ポスター
2)映像コース3年 橘 唯月(たちばな ゆづき)「源氏パイ妄想被害事件」(英語題名:Deduce from Genjipai)
https://catalogue.cannescourtmetrage.com/fiche.aspx?id=X0TSQOvnDBI%3d
本学、映像コース3年生の課題作品として制作された作品です。探偵が殺人現場に残された「源氏パイ」から殺人事件を推理しますが、逆に容疑者に問い詰められる不条理劇をアニメーションで表現しています。シュールレアリズムの画家ルネ・マグリットの絵画には林檎、卵、月などのモチーフとして登場します。橘さんはそれらを引用しコラージュする事によってキャラクターや情景を創作しています。
橘 唯月「Deduce from Genjipai(英語題名)」ポスター
第75回カンヌ国際映画祭「ショートフィルムコーナー部門」(75th Festival de Cannes,Short Film Corner)
日時:2022年5月17日-28日
会場:パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ(カンヌ、フランス)
太田菜捺 「Welcome to Heaven」が掲載された カンヌ映画祭「ショートフィルムコーナー部門」カタログ
橘 唯月「Deduce from Genjipai(英語題名)」 が掲載されたカンヌ映画祭「ショートフィルムコーナー部門」カタログ
昨年のカンヌ映画祭「ショートフィルムコーナー部門」カタログ表紙
2022.4.7
学生作品選出:第75回カンヌ映画祭・ショートフィルムコーナー部門(フランス)