卒業生入選:第30回NEXT YOUNG ARTIST AWARD(東京)

学生作品を対象としたコンテスト「第30回NEXT YOUNG ARTIST AWARD(旧名:学生CGコンテスト)」(東京)に成安造形大学・情報デザイン領域 映像コース卒業生(2023年度)の北村嘉久(きたむら よしひさ)さんの映像作品「氷解」が入選しました。今年は384作品が全国から応募され、その中から47作品が入選しました。


入選作品「氷解」は北村さんの卒業制作作品です。
氷が溶けていく過程の中で生じる動き、質感、泡、水滴などの変化を観察し、普段気付かない氷の溶ける美しさを表現した映像作品です。この作品は昨年、イタリアの実験映画祭での受賞の他、3つの国内外のコンペで入選しています。


以下、「NEXT YOUNG ARTIST AWARD」カタログより入選作品「氷解」のダイジェスト動画と審査評を閲覧する事ができます。
https://archive.nya-award.jp/2024/works/7304/?fbclid=IwY2xjawKfOSpleHRuA2FlbQIxMQBicmlkETFTNXRvSkF6NnhVNFd0ZVRWAR5f9EfHpLBoGLF4V2Vpj5ESNsz-4OymQlsgj9kes4S7HGChLb-7X7whGxS57w_aem_0PVI_AsZ51xhq1013zzAAg

入選作品「氷解」
入選作品「氷解」

受賞・入選者リスト
https://archive.nya-award.jp/2024/video-and-animation


「NEXT YOUNG ARTIST AWARD」は、​CG-ARTS(公益財団法人 画像情報教育振興協会)により1995年に発足し、昨年までは「学生CGコンテスト」として開催されてきました。本年、現代の多様な表現スタイルに対応するため名称を「NEXT YOUNG ARTIST AWARD」と変更されました。CG・VFX映像やアニメーション、メディアアートに、ゲーム、インタラクティブ作品、さらには実験的な現代アートなどが主な審査対象です。本年は3月12日、渋谷キャストスペースにて授賞、入選作品が発表されました。

​CG-ARTSは「文化庁メディア芸術祭」のプロデュースの他、文化庁から委託される「メディア芸術クリエイター育成支援事業」などメディア芸術分野で活躍する若手クリエイターへの制作支援をしています。

映像&アニメーション部門  入選者リスト
映像&アニメーション部門  入選者リスト

審査委員会の様子が動画で公開されています。
49分37秒から2人の審査員による北村さんの作品講評を視聴できます。
https://nya-award.jp/news/nyaa2024/2027


審査評:伊藤 より子( アートディレクター)
『氷解』という題名の通り、氷の中の気泡、音、光、色、質感を巧みに用い、氷が解ける過程を繊細に描いた作品。前半では、氷が溶ける瞬間を“動”として捉え、気泡が揺れ、弾けるダイナミックな変化が映し出される。その動きが際立つ効果音と、氷が軋む音や気泡の音が相まって、視覚と聴覚で氷解の瞬間をリアルに感じさせる。マクロな世界を描きつつ、アイスバーグを彷彿させる効果音が印象的。後半では、“静”の時間へと移行し、ゆっくりと滴る水滴と静寂が対比され、氷解の儚さと美しさが際立つ。光の差し込み方や色彩表現が巧妙に計算され、音の余韻が静寂を引き立て、短い実写映像でありながら、観る者を深く引き込む。

 授賞式の様子(2025年3月12日、渋谷キャストスペース
 授賞式の様子(2025年3月12日、渋谷キャストスペース)