シカゴで開催された「第12回ブローアップ・アートハウス国際映画祭」にてメディアデザイン領域・櫻井宏哉教授(映像・放送コース)が実験映画・国際部門で最優秀作品賞を受賞しました。
受賞作品は水の躍動感をテーマにした2015年制作「The Streams(水流)」です。
今年で12回を数える「ブローアップ・アートハウス国際映画祭」は独立系の映画プロダクションやアートシネマを対象とした映画祭です。商業性よりも芸術性や哲学を重視した趣旨により開催されています。名称にあるアートハウスとはアメリカでは主にヨーロッパ映画を中心にした芸術的な作品上映をする映画館を指しています。またブローアップとはイタリアの映画監督ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品「ブロー・アップ」(邦題「欲望」1967年)から引用されています。アントニオーニ監督は現代の映画に大きな芸術的影響を与えた監督として知られています。
「The Streams(水流)」は、ありふれた日常的な場所で、独自に工夫した撮影と編集技法により普段気づかない美しさを表現した事が評価され、本部門118の応募作品からの受賞となりました。櫻井教授は11月19日にシカゴで行われた上映と授賞式に参加しました。映画祭は受賞作品のみの選抜プログラムで構成されており、非常に強い独自性とテーマを持つ見ごたえある内容でした。受賞作品のいくつかは在米の日本人や香港の監督が受賞しておりアジア出身の監督がアメリカで活躍しているのが印象に残りました。
第12回ブローアップ・アートハウス国際映画祭(12th Blow-Up Arthouse International Film Festival)
2016年11月19日、ローガン・アートセンター、シカゴ、USA
受賞名:国際実験映画部門・最優秀作品 エイゼンシュテイン賞
the Best International Experimental Short Film – Eisenstein Award
映画祭サイト
http://www.blowupfilmfest.com/#!/2016/selection.html
その他、櫻井教授作品が入選、上映された以下、2つの映像祭の紹介です。
ビデオフェスト2016 国際現代映像ビエンナーレ(VIDEOFEST2K16 , Bienal Internacional de Video y Cine Contemporáneo )
11月5日、州立劇場(TEATRO DEL ESTADO)、メキシコ
1994年より開催されている短編映画を対象とした国際映画祭です。メキシコ・バハカリフォルニア州政府によって主催されています。
第33回テヘラン国際短編映画祭/33rd Tehran International Short Film Festival,Iran
2016年11月8日-14日、テヘラン
1983年に始まったイラン国内最大の短編映画祭です。117カ国からの3668本の映画が国際部門に応募されました。これらの中から100本の映画が上映され、櫻井教授は実験映画部門で選出されました。また同部門には成安造形短期大学卒業生の清家美佳さんも入選されていました。
映像祭公式サイト・櫻井教授作品の紹介ページ(英語)
http://www.tisff.ir/2016/09/14/33rd-tisff-international-main-competition-introduction-the-stream-6/
イランの映画監督アッバス・キアロスタミの写真を中心に参加監督のポートレイトが映画祭会場壁面に展示された。